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空き家のシロアリ被害とリスク

空き家管理をしていると久しぶりに帰省した方からお問い合わせをいただくことがあります。
特に外回りだけの管理をしている方から、帰省した時に実家の異変に気付き慌てて連絡をいただくのはシロアリのケースが多いです。
実家のシロアリの被害に気付く方の多くが、ゴールデンウイークで帰省した時と、お盆で帰省したときです。
そして、お盆に気づくシロアリの種類は、ほかのシロアリに比べて食害のスピードが速いため、特に危険性が高い種類なんです。
シロアリは、気づかないうちに家屋に重大な損害を与える厄介な存在です。

 空き家におけるシロアリ被害の実態と、効果的な予防法について詳しく解説します。
大切な実家を守るために、今すぐ知っておくべき情報をお届けします。

1.空き家とシロアリ被害の関係
1.1 シロアリの生態と活動
シロアリは、一般的に考えられているようなアリの仲間ではなく、ゴキブリに近い昆虫です。
地中や木材内部に巣を作り、24時間365日休むことなく活動を続けます。日本では主にイエシロアリとヤマトシロアリが家屋被害の原因となっています。

1.2 空き家がシロアリに狙われやすい理由
空き家は、人の目が行き届かないため、シロアリの侵入や繁殖を見逃しやすい環境です。
また、換気不足による湿気の増加や、放置された植物の繁茂がシロアリを引き寄せる要因となります。

2.シロアリ被害の実態
2.1 被害の種類と程度
シロアリは、家屋の柱や梁、床下など構造材を食い荒らします。
深刻な場合、建物の強度が著しく低下し、最悪の場合は倒壊の危険性も生じます。
また、家具や書籍なども被害を受ける可能性があります。

2.2 経済的損失の規模
日本におけるシロアリ被害の経済的損失は非常に大きく、年間で推定3,800億円に達するとされています。この損失には、シロアリの駆除費用や被害箇所の修繕費用、さらには住宅の資産価値の低下などが含まれています。
空き家の場合、被害の発見が遅れるため、修繕費用がさらに高額になる傾向があります。

3.シロアリ被害の兆候と発見方法
3.1 目視で確認できる兆候
・蟻道(ぎどう)と蟻土(ぎど)の確認・・基礎コンクリート、束、土台などの表面に土や排泄物でできた蟻道がないか、木材の割れ目や継ぎ目に蟻土が詰められていないか確認します
・羽アリの発生(特に春から初夏)・・3月から5月の昼間に黒色の羽アリを見かけた場合はヤマトシロアリの可能性、5月から7月の夜に電灯に集まる黄褐色の羽アリはイエシロアリの可能性があります(イエシロアリの方が被害が大きいです)
・床がきしんだり、歩くとフワフワした感じがする

3.2 専門家による調査の重要性
これらの兆候を見つけた場合、早急に専門業者に相談することが重要です。シロアリ被害は早期発見・早期対処が鍵となり、被害の拡大を防ぐことができます

4.空き家のシロアリ対策
4.1 予防法
空き家のシロアリ対策は非常に重要です。適切な対策を講じないと、建物の構造に深刻なダメージを与え、資産価値の低下や安全性の問題につながる可能性があります。
・定期的な換気と清掃により早期発見、早期対策
・シロアリは湿気を好むため、湿気対策(除湿器の設置、雨漏り修理)で湿気がこもらないようにします
・木材や落ち葉などがを放置せず、家屋周辺の植物を管理して家に接触させない
・適切な防蟻処理(薬剤の散布や土壌処理)をする

4.2 駆除方法
ベイト工法:シロアリの好む餌に薬剤を添加しコロニーごと駆除
土壌処理:建物周囲の土壌に薬剤を注入
木部処理:被害を受けた木材への薬剤注入

5.定期的な管理の重要性
5.1 遠隔地からの管理方法
定期的な訪問または知人への依頼
防犯カメラやIoTデバイスの活用
空き家の管理サービスの利用

5.2 プロによる定期点検サービス
多くの害虫駆除会社が、定期的な点検サービスを提供しています。
年1;2回の点検により、シロアリ被害を未然に防ぐことができます。
また、月に1回空き家の定期的な巡回をすることで早期発見、早期対策が可能です

空き家のシロアリ被害は、早期発見と適切な対策が鍵となります。
実家から離れて暮らしていても、定期的な管理と専門家による点検を行うことで、大切な家屋を守ることができます。